『全粒粉そうめん』(小西勇製麺所・奈良県)

クイズ

Q1:播州そうめんや島原そうめんなど、さまざまなそうめんの産地がありますが、そうめんの発祥の地はどこだと言われているでしょう?

Q2:小麦のパンと全粒粉のパンでは、固さや食感に違いがあります。その食感の違いを生み出す、弾力性と粘着性を持つ成分は?

Q3:奈良県の三輪地方の「三輪」の由来は、ある日本の歴史書に書かれた、大神神社の主祭神である大物主大神(おおものぬしのおおかみ)と、活玉依姫(いくたまよりひめ)の恋物語であるという説があります。では、「ある日本の歴史書」とはなんでしょう?

物語

近ごろ、スーパーで「全粒粉」というワードを目にする機会が増えたのではないでしょうか?

そもそも、皮ごと挽いた小麦粉を「全粒粉」といいます。全粒粉から胚芽と表皮(ふすま)を取り除いたものが「小麦粉」です。小麦の皮などがそのまま入っている全粒粉は、香ばしい匂いや、噛みごたえがあるのが特徴です。しかし、弾力性と粘着性を持つグルテンの量が少なく、パンなどを作る際に生地がまとまりにくいという欠点があります。なので、パンなどを作る際には基本的に小麦粉が使われています。

全粒粉には食物繊維やビタミン、鉄分などのミネラルが小麦粉よりも多く含まれています。これらの栄養分は現代人に不足しがちであるとも言われており、不足する栄養を補えることが、全粒粉商品の増加理由の一つなのではないでしょうか。

さて、現在のように製粉技術が発達していない古代では、小麦粉と言えば全粒粉だったとされています。つまり、『全粒粉そうめん』は、古代のそうめんとも言えます。

この『全粒粉そうめん』のメーカーの小西勇製麺所は「纒向(まきむく)遺跡」の中にあります。この纏向遺跡は、邪馬台国の中心的な場所であったのではないかとも言われている場所です。史跡名勝天然記念物にも指定されています。3世紀初頭から4世紀初めに営まれた集落跡です。昭和46(1971)年以降、193回(2017年時点)の発掘調査で、東西2km、南北1.5kmの広さと判明しました。これは、纏向遺跡が生まれた当時では類をみない規模でした。この広さもあり、多くの遺物が出土しています。東海や南関東、北九州など、広範囲の地域のものも出てきており、現在でも調査が続いている、古代日本を知るための重要な手掛かりとなるかもしれない遺跡です。「卑弥呼の墓」だという説がある箸墓(はしはか)古墳もすぐ近くにあります。

そんな遺跡や古墳が近くにあるため、この品物は「卑弥呼も食べていたかもしれない小麦」(つまり全粒粉)をイメージして作られています。


さすがに製麺のプロですから、ただ単に普通の素麺ではなくて、あえて少し太めに仕上げることによって、よりもっちりとした食感と香ばしい香りを楽しめるようにされています。

ちなみに、小西勇製麺所がある地域は「三輪(みわ)素麺」の産地です。奈良県の三輪地方は日本の素麺の発祥の地と言われています。

三輪の名前の由来の一つは『古事記』から来たという説があります。奈良県にある日本最古の神社である大神神社の主祭神である大物主大神(おおものぬしのおおかみ)と、活玉依姫(いくたまよりひめ)の恋物語が綴られています。活玉依姫は、ある見目麗しい男と恋に落ち、その男の子どもを身ごもります。しかし、姫の両親はその男の素性を不審に思い、男の服の裾に糸を通した針を刺して、男が出て行ったあと、糸を辿っていけば男の居場所がわかるようにしました。やがて男が姫のもとを去ったあと、姫はその糸をたどります。すると、たどり着いたのは三輪山で、その男が大物主大神だったことを知る、という話です。大物主大神が活玉依姫のもとを去ったときに残った糸の量が三巻分だったので、「三輪」という地名になったと言われています。

小西勇製麺所からのメッセージ

小西勇製麺所に、商品化の際に気をつけた点、苦労した点を聞きました。
「全粒粉の素麺はほとんどなく、商品化は手探りで難航しました。そのため、経験と勘で粉の配合の割合などを考えながら作り上げました。
完成後も、通常の白い素麺よりも延びにくいので切れやすく、製造工程にとても気を使いました。」

おすすめのお召し上がり方

基本のお召し上がり方:食べ方は一般的な素麺と変わりません。沸騰したお湯で約3分茹でたのち、しっかりと流水で洗ってください。その後氷水につけると麺が引き締まり、よりおいしく召し上がっていただけます。

おすすめのお召し上がり方:麺自体に味わいがありますので、まずはゆでたてをそばのように塩で食べていただくと、よりおいしさを実感していただけます。普段食べられている一般的な白いそうめんを一緒に食卓に並べてみて、味や食感、風味などを食べ比べてみて、ご家庭で話し合われるのもおもしろいかもしれません。

基本情報

価格:5束450円
内容量:1束50g
ゆで時間:約3分
賞味期限:通常、製造日より720日
原材料:小麦粉(全粒粉約30%)、食塩、食用植物油
保存方法:直射日光・高温多湿を避けて保存してください。

メーカー:小西勇製麺所
※品物の仕様などは予告なく変更されることがあります。
クイズの答え

A1:奈良県の三輪地方だと言われています。

A2:グルテンです。

A3:『古事記』です。

「全粒粉そうめん」についてのお便りやご質問

「全粒粉そうめん」のご感想やご質問、おすすめのお召し上がり方などをお送りください。
※発見物語のWEBサイトやメールマガジン、弊社発行物などでご紹介させていただくことがあります。ペンネームをご希望の方はペンネームをお書きください。
※その他、弊社へのご質問や発送状況のお問い合わせなどは「お問い合わせ」からお願いいたします。

    お名前

    メールアドレス

    ペンネーム ※掲載を許可いただける方のみ

    「全粒粉そうめん」のご感想・ご質問など

    「発見物語」編集部へのメッセージ

    写真 ※1枚10MBまで