『極 煮干しだしチューブ』(月星食品・栃木県)

この商品は「発見物語」定期便001(2025年11月号)でお届けしました
クイズ

Q1:栃木県足利市にある、日本最古の学校は?

Q2:「煮干し」の語源は何でしょう?

Q3:煮干しだしが、とくに四国と九州でよく使われているのはなぜでしょう?

物語

煮干しのうま味

煮干しは、小魚を煮て干したもので、カタクチイワシを使ったものが一般的です。

煮干しのうま味の正体は、三大うま味成分の1つであり、かつお節などに豊富に含まれるイノシン酸です。ちなみに、三大うま味成分の残り2つは、昆布などに含まれるグルタミン酸と、干し椎茸などに含まれるグアニル酸です。

イノシン酸は、うま味を強く感じさせる効果を持っています。グルタミン酸と合わせると、とくにうま味が強くなるとされています。

煮干しの歴史は奈良時代から

煮干しは、原料になる魚を洗い、茹でて(煮て)、乾燥させて(干して)作られます。これが「煮干し」の語源です。

煮干しの歴史は、奈良時代から始まるとされます。

奈良時代の藤原宮跡から出土した木簡に「伊委之煮(いわしに)」という言葉があり、これが煮干しとよく似たものだったそうです。

また、少なくとも明治時代には、瀬戸内海沿岸地域で生産されていたことが分かっています。瀬戸内海ではイワシがよく獲れます。「カタクチイワシ瀬戸内海系群」というグループがあるほどです。2020年時点では、瀬戸内海における総漁獲量126,668tのうち、半数以上がイワシ類で、そのうち、カタクチイワシの漁獲量は40,760t(総漁獲量の32%)です。

煮干し加工が産業として全国に始まったのは、20世紀初頭だといわれています。国内でも、とくに四国と九州で煮干しだしが多く使われているのは、瀬戸内海で豊富に煮干しの原料となるカタクチイワシが獲れていたからでもあるようです。

青森の津軽ラーメン

ちなみに、有名な煮干し料理の1つ「煮干しラーメン」ですが、有名なものに青森の津軽ラーメンがあります。青森でも漁業が盛んですので、煮干しが家庭でよく使われていました。

津軽ラーメンのルーツは、津軽そばという郷土料理だとされています。津軽そばの特徴は、麺のつなぎに大豆をすりつぶした呉汁(ごじる)が使われていること。その麺を、魚だしの煮汁と一緒に食べるのが主流だったそうです。

何にでもかけられる煮干し調味料

さて、「極 煮干しだしチューブ」は、ガツンと来るだしのうま味が特徴的な、煮干し粉末が練り込まれたペースト状の調味料です。入れるだけで、煮干し風味の料理を手軽に作れます。

原材料には国産のカタクチイワシが使用され、煮干しが持つ豊かなうま味と香りを最大限に活かすように仕上げられています。添加物はできるだけ少なくされています。

お好みで量を調整できるチューブタイプなのも便利です。

おすすめの使い方は、即席めんや即席みそ汁などに入れること。煮干しのうま味や独特の苦味をより強く味わいたい人は、多めに入れてみてください。ディップソースとしてもお使いいただけます。

煮干し調味料誕生のきっかけ

煮干し調味料を開発するにあたり、お客様にアンケートをとったところ「すでにある粉末ではなく、ペーストなどすぐに溶けて使える形にしてほしい」「オイル、ペースト、粉末を組み合わせて、より深い煮干しだしのうま味を引き出してほしい」といった声をもらいました。

さらに、この品物は、お笑いコンビ「ツインクル」のクック井上。さんが監修を行っています。煮干しラーメンのファンがたくさんいることなどから「煮干しだしをペースト状にしたら面白い」と、クック井上。さんにアイデアをもらったそうです。

フードコーディネーターや食育インストラクターなど、食に関するさまざまな資格を持っているクック井上。さんには「煮干しが手に入りにくい海外の飲食店にも、うま味を持つだしを手軽に使ってほしい」という思いがありました。

開発の過程では、煮干しの風味を損なわないまま、チューブ状に加工するための粘度の調整が難航したそうです。

煮干し特有のえぐみを抑えつつ、うま味だけを抽出する製法も研究しました。また、魚粉の分離を防ぎ、最後まで均一に使えるようにする工夫も行いました。とくに「分離が起きやすい」というのは、開発を進めるうえで予想外の課題だったそうです。この課題に直面してからは、何度も製造方法を見直しました。

このように、家庭でもプロの現場でも使いやすい味わいになるよう改良を重ね、完成させたのが「極 煮干し出汁チューブ」です。

粉末、オイル、ペーストをバランスよく配合したことにより、従来の顆粒やパックでは再現できなかった濃い煮干しのうま味を、スプーン1さじで引き出すことに成功しました。

製造工場内では、一日中香ばしい煮干しの香りが漂っているそうです。

また、煮干しは水分量や状態によって味が微妙に変わるため、職人の目利きと経験が不可欠です。

煮干し好きから子育て世帯まで

煮干しラーメンは2018年ごろから流行し始め、全国で煮干し系のだしを使ったラーメン店が次々に誕生しました。その勢いは衰えることがなく、今やラーメンのジャンルの一つとして定着しつつあります。

そんな煮干しラーメンが好きな人、あの煮干しの独特な風味を求めている人には、特にぜひ一度食べてもらいたいです。

この品物の作り手、月星食品株式会社(栃木県)の社長である長沼幹雄さんも、煮干しが大好きだそう。「この品物は、チューブになっていて利便性も高いので、いろんなものにかけてみて、自分の好みのものを見つけてほしい」と語っています。

また「極 煮干し出汁チューブ」を販売してからは「もう顆粒の出汁には戻れない」「忙しい朝にこれ1本でみそ汁が作れるので助かる」「子どもが『おみそ汁がおいしい』と言って飲むようになった」などの声が多数上がっているそうです。

調味料専門メーカー、月星食品

月星食品は、1895(明治28)年に足利市で創業し、130年の歴史を持つ調味料製造企業です。日本そば店を経営していた創業者が、西洋から伝わってきたソースに関心を持ったことから、月星食品がスタートしました。「食卓をレストランに」というビジョンを掲げて、日々バラエティ豊かな調味料を開発、製造しています。「月星」という名前には、「時を経ても輝き続けるように」という願いが込められています。

ちなみに、月星食品には、公式キャラクターの「ソースター」くんがいます。ソースのおいしさを知ってもらうために修行中とのこと。

月星食品は、法人向けのオリジナルソースの製造も行なっています。もちろん、自社でも「極 煮干しだしチューブ」を始めとしたユニークな調味料を開発したり、公式サイトでオリジナルレシピを公開したりもしています。

「極 煮干しだしチューブ」を通して、「だしを取るのは大変なのでだしを使わない」という人も、もっと気軽にだしを楽しめる環境を作りたいと思っているそうです。

「足利」の由来
月星食品があるのは、栃木県足利市。足利という地名の由来にはいくつかの説があるようです。そのなかでも3つの説をご紹介します。

古代日本では、人やものが行き来するための駅として、全国各地に駅家(えきか、うまや)が作られていました(「駅」が馬偏なのも、このころは馬が主要な交通手段であったことが関係しているそうです)。足利地方も、東山道の重要な駅家だったため、足が丈夫でよく走れる使者や、駅夫(今でいう駅員)などがいました。このように、足がよく利く者が多くいたという特徴が、地名になったというのが1つ目の説です。

また、昔、足利の平原には、芝草(昔はカガということもありました)が一面に生えているところがありました。さらに、現在の柳原町あたりは、かつては沼地であり、葦などが多く茂っていました。この2つの自然環境の特徴を合わせて、その土地をアシカガと呼ぶようになった、というのが2つ目の説です。奈良時代の713(和銅6)年に、「郡郷の名前はよき2字にせよ」という命令が出たため、アシには足、カガには利の字を入れたといわれています。

また、この地名は金属を表している、というのが3つ目の説です。「アシ」は中国東北部方面の言葉で金属のことをいいます。「カガ」は利息の利のことを指しているといわれています。足利市は繊維産業が栄えていることで有名ですが、アルミや機械金属、プラスチック工業などを主にした総合的な商工業も盛んです。栃木県にはいくつかの鉱床(こうしょう。有用な鉱物が集積している地殻)がありました。現在は閉山していますが、有名なものは足尾銅山の銅鉱床、加蘇鉱山のマンガン鉱床です。2020(令和2)年時点では、栃木県の砕石(さいせき)の生産額は全国1位です。このような土地的な特徴があり、金属を表す名がつけられたのかもしれまん。

足利氏発祥の地
また、この土地は、足利尊氏などで有名な足利氏発祥の地でもあります。

八幡太郎義家(源義家)の孫、義康が足利氏を名乗り、周辺の土地を治めたことが始まりです。鎌倉時代には、足利氏二代目義兼が住まいを、現在は国宝にも指定されている鑁阿寺(ばんなじ)のあたりに置きました。義兼の子孫も足利に住み、多くの寺社を建てたことから、市内には足利氏ゆかりの寺社が点在しています。ちなみに、足利尊氏は、義兼から数えて八代目にあたります。

ちなみに足利市には、「日本で最も古い学校」として知られる足利学校の史跡が存在します。創設者は足利義兼だといわれており、大正10年に国の史跡に指定されています。

最後に――ニボラー増加の未来へ

ところで、煮干しラーメンが好きな人のことを「ニボラー」と呼ぶそうです。

この品物のキャッチコピーは「全ニボラーに捧ぐ!」です。家族に煮干しの味が苦手な人がいる、肩身の狭いニボラーさんにとっても、あとから「極 煮干しだしチューブ」を足して、自分だけ煮干し味を楽しむこともできます。

この「極 煮干しだしチューブ」によって、ますますニボラーが増えそうです。

月星食品株式会社からのメッセージ

私たち月星食品は「毎日の食卓をレストランに」という想いで商品づくりをしています。

「極 煮干し出汁チューブ」は、130年を超える経験と最新の製造技術から生まれた自信作です。

ぜひご家庭でお試しいただき、毎日の料理に「ひと手間の贅沢」を加えていただければ幸いです。

お召し上がり方

チューブから中身を出し、料理などにかけてお使いください。

おすすめのお召し上がり方:月星食品のおすすめの食べ方はこちらです。

・ラーメン1杯に大さじ1(15g)

・お味噌汁1杯に小さじ1(5g)

・まぜそばや冷やし中華にも

・ご飯に小さじ1杯とバターで「にぼバターご飯」

・大さじ1杯とパスタとバターで「にぼバターパスタ」

また、月星食品の社長である長沼さんに、おすすめの使い方を聞きました。

「炊き込みご飯の出汁や、パスタの隠し味にもおすすめです。ペペロンチーノのアンチョビのかわりに煮干し出汁を使っていただくと、和風ペペロンチーノになります。卵焼きや野菜炒めに少量混ぜてうま味アップなど、万能調味料としてもお使いいただけます。私は『卵かけご飯にほんの少し混ぜる』のが密かなブームです」

基本情報

名称:煮干しだし
価格:550円(税込)
内容量:150g
賞味期限:通常180日(開栓前)
アレルゲン:小麦・ごま・大豆・豚肉・魚醤(魚介類)
●本品は、小麦、卵、乳成分、落花生、えび、かに、くるみを含む製品と共通の設備で製造しています。
原材料:煮干しオイルペースト(国内製造)、たん白加水分解物、本みりん、煮干し粉末、しょうゆ、昆布エキス、レモン果汁、でん粉、食塩、ねりごま、煮干しエキス、酵母エキス、砂糖/アルコール、増粘剤(キサンタンガム)、(一部に小麦・ごま・大豆・豚肉・魚醤(魚介類)を含む)  
栄養成分表示:100g当たり(推定値)
 熱量 291kcal
 たんぱく質11.6g
 脂質 21.5g
 炭水化物 10.3g
 食塩相当量6.2g
保存方法:直射日光を避け常温で保存してください。開栓後は要冷蔵で、なるべくお早目にお召し上がりください。

メーカー:月星食品
※品物の仕様などは予告なく変更されることがあります。
クイズの答え

A1:足利学校です。

A2:原料になる魚を洗い、茹でて(煮て)、乾燥させて(干して)作られる工程から、「煮干し」という名前がついています。

A3:煮干しの原料となるカタクチイワシが瀬戸内海で豊富に獲れていたのが理由の一つとされています。

この商品は「発見物語」定期便001(2025年11月号)でお届けしました

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